DBJ女性新ビジネスプランコンペティション
NETZSCHJapan株式会社つくば事業所
(受賞当時は㈱ピコサーム)
所長
茨城県
熱を制する者がデバイス開発を制する
~薄膜熱物性測定装置「NanoTR」「PicoTR」の開発製造・販売と受託分析
PROFILE
筑波大学第一学群自然学類(現、理工学群物理学類)卒業後、NECにて人工衛星の熱制御系システムや無重力環境での実験装置の開発に従事。その後、出版社や芸術センターで企画・制作の仕事を経て、2006年に産業技術総合研究所にてベンチャー創業のタスクフォースプロジェクト立ち上げ。2008年に株式会社ピコサームを設立、代表取締役社長に就任。IEEE Japan Council Women in Engineering Affinity Group Chair(2014-2015)。
熱物性は、情報通信、環境エネルギー、ナノテクノロジー・材料、バイオテクノロジー、宇宙開発など広範な分野において、熱解析・熱設計のための重要な情報である。 今日、半導体に代表されるさまざまな分野で、高集積化・高速化が進み、それに伴い熱の問題がクローズアップされてきているが、この問題を解決するためには、内部で発生する熱の流れや広がり、温度分布を把握することが重要であり、そのための薄膜の熱物性を測定することが必要不可欠である。ピコサームでは、産業技術総合研究所で開発された「パルス光加熱サーモリフレクタンス法」を実用化し、2008年に薄膜の熱物性を測定する受託分析サービスを開始。2011年に薄膜熱物性測定装置『NanoTR』を、2012年には薄膜熱物性測定装置『PicoTR』を完成させた。これまで測定が困難であった薄膜の熱拡散率、熱浸透率、熱伝導率、および多層膜の界面熱抵抗の測定が可能となり、製品の設計段階に利用することで発熱問題を解決することが可能に。国家標準レベルの信頼性の高い熱計測技術と解析技術およびSIトレーサブルな校正技術を通して、サーマルソリューションを提供する。