DBJ女性新ビジネスプランコンペティション
株式会社GHIBLI
代表取締役
山口県
DBJ女性起業地域みらい賞
漁師の元気が繋ぐ、日本の美味しい!美しい!を未来へ
~50年後の誇れる故郷の存続を目指して~
PROFILE
1986年、福井県生まれ。名古屋外国語大学を中退後、翻訳・コンサルティング事務所を立ち上げ、企業を対象にした翻訳とコンサルティング業務に従事。山口県萩市へ移住し、全く知見の無かった漁業と出会い2011年、任意団体としての「萩大島船団丸」の発足を手掛ける。2012年、経営が苦手な漁師たちに代わり、代表に就任。2014年4月、事業の拡大に向け、株式会社GHIBLIを設立。日経Woman of the year2014キャリアクリエイティブ賞を受賞。2015年より福島県いわき市の浜の六次産業化にも着手。
近年続く劇的な漁獲量の減少、操業経費の高騰、後継者不足など明るいニュースのない漁業界。水産業の島、萩大島では漁獲量が毎年激減。水揚げ約7割を占めている旋網漁業の経営を圧迫しており、人口減少も止まらない。後継者もいない、産業もない。そんな島の元気を取り戻すため、漁師の意識改革、既存の流通改善等を行いながら、漁船操業を「家業から企業へ」と、第六次産業化による地方創生を達成すべく取り組む。
SNSを利用し、従来繋がることのなかった漁船と板場を繋ぎ、リアルタイムで漁場の情報を配信する。漁獲と共に、鮮魚の販売先が決まり全国へ新鮮な魚が届けられる。魚は市場を経由せず、最短ルートで配送されるため、鮮度の良さはもちろん、漁業者自らが価格決定権を持って板場の料理人たちと交渉することで、供給地と消費地が密接に繋がり、入り口(漁師)から出口(飲食店)まで想いを一つに、よりハイクォリティーな食を提供することが可能になる。
漁師と消費者を直接繋ぎ、漁業の六次産業化を推進
萩大島には、漁業の町萩市の漁獲高の大半を担う中型旋網船団が所属しています。近年の漁獲高の大幅な減少、経費の高騰、人材不足などにより地域経済は衰退の一途を辿ってきました。そこで、漁師さんと共に漁業の六次産業化を開始し、船上から漁獲直後の鮮魚を消費者へ直送するビジネスをスタートさせました。
メンタリングでは、事業が進む中で経営者としてぐらつき始めていた自分の考えの整理や、事業モデルの基盤を徹底的に固める作業をお手伝い頂きました。時には厳しく、かつ非常に的確な指摘や助言によりPDCAを安心して回すことができた一年でした。
受賞以前は足踏みしていた全国への水平展開も開始し、北海道、鹿児島県、福井県の現場へ出向き、萩の漁業者を派遣して現場指導に当たっています。この事業の拡大により、漁業者の所得向上や雇用の創出、全国からのIUJターン者の受け入れはもちろん、日本全国の漁業の六次産業化の推進による水産業の活性化に貢献していきたいと考えています。
2016年6月発行「ファイナリストはいま(追補)」より抜粋